普通自動二輪教習⑤ 二段階目 急制動失敗
二段階目に突入。
一段階目と違い、サクサク教習が進む。
あれ?二段階目、私より下手な教習生がわりといることに気付く。
伊達に15回追加で補習を積んでいないなと、 謎の自信が生まれる。
二段階目の課題、急制動。
(※急制動:走行中40km以上の速度で、急な停止でも自分の目標先に、 バイクを制御して止めること。)
教習直前に当日卒検で急制動を失敗し、転倒する人を見た。
怖い。
自分が走行すると、40キロに到達せず。
停止時は無意識にローギアに落としてしまう。
「もう一回教習があるから」
一回目の急制動の教習はゆるやかに終わる。
急制動二回目の教習。
最初から停止位置について、距離数で覚えるな、 実際の白線で停まれと指導される。
今日は嫌な予感しかない。
何回かチャレンジするも、加速することに気をとられ
エンジンブレーキを使わず慌てて急ブレーキ、前輪がロック。
急制動失敗。
前輪ロックのため、40kmいかずとも、それに近い速度を出していたバイクが転倒。
そのまま私の身体が右へ地面に投げ出される。
痛てぇと呟きながら、バイクを早く戻さなきゃと、 慌ててバイクに乗る。
「一つも言うことを聞かないから転倒するんだよ。
ちょっと待って、何を普通にバイクに乗って行こうとしてるの?一旦降りて。」
指導員から乗車ストップがかかり。
バイクの状態を確認、ギアが変わらない。
壊れてしまったか?
指導員がバイクを調整してくれる。
転倒よりも、 指導員からの一つも言うことを聞かない発言にショックを受ける。
身体が思った通りに動かないだけなのですがと、心の中で言い訳。
バイクが無事に動くことを確認し、一安心。
本当に大丈夫ですと伝えるも。
「大丈夫じゃないから、バイクから降ろしたんだって。ほら、深呼吸して。」
深呼吸をしたものの、深呼吸の仕方が違うと言われ、 深呼吸の指導もされる。
ヨガ教室か?と、どうでも良いことを考える。
再度大丈夫と、指導員に伝えるも疑いの眼。
ここでバイクを降りたら教習時間が勿体ない一心であった。
気がついたら、 前回急制動を担当した指導員も心配して駆けよってきていた。
再開するも速度が到達せず、無意識に止まる時はローギアへ。
クラッチは握らない、ブレーキも小指から握りこむ。
教わったことをブツブツ繰り返す。
かなり心配をされながら、二人係で指導される。
指導通りに出来ないことが申し訳なく、駆けよってきてくれた、 いつも困った時には助けてくれる優しい指導員とも目を合わすこと が出来なくなった。
ダメな自分をこの時は呪った。
結局エンジンブレーキを使えてないことが敗因であった。
「最初から出来る人はいないから。」
いつもは素っ気ない別の指導員からの言葉にも励まされた。
飴と鞭は使いよう。
「急制動が出来てないから補習は多めに追加しておいて、 身体は大丈夫ですか?」
教習終わりにツンデレ発言を受け、
全く身体は問題ないとアピールをするも、苦笑される。
問題児から卒業出来ていないことに凹む。
結局、急制動で補習を受けて、二段階目が終了。
目線が重要であることも、 二段階目の終了まできて、やっと実感する。
二段階目で追加補習2回、全10回の教習を終える。
二段階目の見極めは何も破壊せず終わり、安堵する。